あなたが現在見ているのは 1625年 チャールズ1世 ユナイト金貨 NGC鑑定 XF40 ハンマーコイン イギリス

1625年 チャールズ1世 ユナイト金貨 NGC鑑定 XF40 ハンマーコイン イギリス

1625年、イングランドに新たな王が即位しました。
ジェームズ1世の跡を継いだチャールズ1世は、王権の正当性と国の調和を示す象徴として、「ユナイト」と呼ばれる金貨を発行します。

「ユナイト(Unite)」は「結束」を意味し、表には王冠を戴いたチャールズ1世の横顔、裏には四分割された盾の紋章が刻まれています。


周囲のラテン語銘文には、王の権威や国の繁栄を願う言葉が込められており、当時の人々にとってはお金であると同時に、王の存在を身近に感じるものでもありました。

この金貨が鋳造された年は、国の政治が大きく揺れ始めた時期でもあります。
チャールズ1世の治世は、王権をめぐる議会との対立を深め、後の内戦や王政廃止へと繋がっていきます。
ユナイト金貨は、そうした時代の入口を物語る一枚と言えるでしょう。


今回ご紹介しているユナイト金貨は、NGC社の鑑定で「XF40」と評価されたものです。
同社での登録はわずか12枚しかなく、状態の良い個体はそう多くありません。
また、「Marston Collection」という収集家由来であることも、このコインの由緒を裏付けています。


現代のように機械で大量生産されたものではなく、職人が金槌で一枚ずつ打刻したハンマーコインのため、それぞれにわずかな違いが見られます。
細部に残る打刻跡には、17世紀当時の職人の仕事ぶりや時代の空気を感じることができるでしょう。

歴史が好きな方や、イギリス貨幣に興味のある方にとって、
このユナイト金貨は、過去に思いを巡らせるきっかけになるかもしれません。
遠い昔の物語を、手のひらでそっと感じてみてはいかがでしょうか。



チャールズ一世 ユナイト金貨 NGC鑑定 XF40 1625年